検査・説明

歯ぐきがチクチクする検査、アレは何をしているの?

歯周基本検査をご存知ですか?

「いま歯医者に行ってて・・・、金属の細い針みたいので、歯ぐきをチクチク刺されたんだけど・・・。アレって何をやってるの?」先日、学生時代の友人と食事をしていたときに聴かれました。

「チクチク刺された」の言葉にショック!

話を聞いて、友人が「歯周基本検査」のことを私に聞いていることはすぐにわかりました。でも「チクチク刺された!」という友人の言葉がとてもショックで、説明不足と患者側がきちんと理解できていない状況で診療が進んでいることに、とても残念な気持ちになりました。この友人が歯医者で”歯ぐきがチクチクされたこと”とは「歯周基本検査」という歯ぐきの健康状態を調べる検査です。そして、「チクチクする、痛かった」= 「歯ぐきが弱っている証」です。通常、健康な歯ぐきを検査した場合は痛みはありません。そのことを友人に伝えたら驚いていました。

歯周基本検査

「歯周基本検査」とは?

「歯周基本検査」では、具体的に次の3つのことを調べます。

  1. 歯と歯ぐきの間の溝(歯周ポケット)の深さの測定
  2. 歯ぐきからの出血状況の確認
  3. 歯の揺れ具合の測定

これにより、「歯ぐきの健康状態の確認」及び「歯周病の進行状況の確認」ができます。〈歯ぐき〉は、歯を支えている土台部分であるため、家の建設工事に例えるなら地盤調査と同じです。「歯の土台調査」と言い換えることもできるでしょう。もしも、土台に異常があった時には、歯の治療の前に、土台の治療を優先にする必要があります。なぜなら、歯を治しても、それを支える土台が崩れてしまったら共倒れになってしまうためです。そのため「歯周基本検査」は、治療計画を立てる上でとても重要な情報になります。

なぜ、歯と歯ぐきの境界溝(歯周ポケット)を測るのか?

歯周病の原因の1つが、細菌(歯周病菌)です。歯周病菌は、日の当たらない暗くてジメジメしている場所を好んで住処(すみか)にする性質があり、歯と歯ぐきの間の溝(歯周ポケット)に住みつきます。彼らはただ隠れて住み着いているわけではなく、私たちの歯茎細胞を破壊し、そこから出てくる血液を餌にして暮らします。餌がたくさん与えられると、菌は活動性を増し、更に深いところへ侵入し歯茎細胞を破壊すると共に骨まで破壊していきます。健康な溝(歯周ポケット)の深さは2〜3㎜ですが、歯周病菌に細胞や骨が破壊され歯周病が進行すると歯周ポケットは、4mm,5mm,‥‥と、徐々に深くなっていきます。ポケットが10mmにもなってくると、支えが少なくなり歯はグラグラと揺れ、いずれ歯は抜け落ちてしまいます。そのため、歯周ポケットを測定することは、歯周病の進行状況を知る上でとても重要な検査なのです。

健康な歯ぐき

歯ぐきが炎症

軽度の歯周病

中度の歯周病

重度の歯周病

Dentists treat patients' teeth.

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